不思議なことに、どうしてなのか全く解らないのに、あっという間に痛みが消える!という現象を自ら体験しました。それが、とても簡単な作業なのです。皆さんも、今、是非やってみてください。ざっと手順を説明しますね。

仰向けに寝て、膝を揃えて立てます。ゆっくりと右に倒してみましょう。元に戻したら今度は左に倒してみましょう。どちらか、痛いところや倒し辛い所がありますか?あれば、どのポイントでどのくらい痛いか確認しておいてください。
次に、痛くない方向に膝を倒します。ゆっくりと・・・一番気持ちの良い所で、グググイっと2~3秒止め、ストンと力を抜きます。気持ちの良い方にだけ、3~4回繰り返し行なってみてください。
さて、これで身体は自然に調整されていると言うのです。試しに、痛かった方に膝を倒してみましょう。
・・・・・いかがですか?あれれれ??すぅ~っと膝が倒れていきませんか?私は、腰に引っ掛かりがあって痛かったところが無くなって、膝がゆっくりと無理なく倒れていったので、それはもう、ビックリしました。

この摩訶不思議な体験をしたのは、仙台市青葉区にあります温古堂さんで!操体法の指導をなさっている橋本千春さんの誘導に任せて、自ら身体を動かしただけなのです。
「痛くないことをすると痛かった方がラクになる、出来る事をすると出来なかったことが出来るようになる!人間は、もともとそういう風に出来ているんです。」

今回の取材記のタイトル「からだの設計にミスはない」、正に、その事を仰っているのです。このタイトルは、操体法の創始者、橋本敬三氏の著書(柏樹社)から頂戴しました。身体に気持ちの良い動きをさせて、日々のメンテナンスをする、身体の歪みを自然に調整していく・・・これが、操体法なのです。

取材させて頂いたのは、その橋本敬三氏の流れを汲む、孫嫁の千春さん。 千春さんが語る敬三氏は、まるで町のお医者様の理想像のようです。

「漁業に勤しむ人たちや田畑を耕す人たちは、日々の生活から身体に歪みを生じ、痛みや不調を感じるようになります。橋本敬三は、自分の学んだ西洋医学では治せないものには、別のアプローチをすることを躊躇しませんでした。按摩や鍼灸などの民間療法家を診療所に招き、自分の患者に施術してもらう・・・自分も習う・・・。医者が頭を下げると、どんな民間療法家も嫌とは言えないので、親身になって教えてくれたそうです。
やがて、身体の歪みを日々調整してゆけば病気にはならないと考える敬三が、どんな人にでも出来る操体法を確立していきますが、その操体法を誰にでも教えたけれども、組織化することは決してしなかった。それぞれが温古堂で習得した操体法を地元に持ち帰り、自分達の経験で+αを加えていけば良い。良い物は自然と残っていくはずだから・・・と。」

それで、操体法は人によって微妙に違いがあるのですね!?原点は、患者さんをラクにしてあげたい、出来るならば病気になる前に改善をと願う医師・橋本敬三氏の操体法なのです。明治生まれのお医者様が、当時、既に予防医学の大切さを訴え、実践されていたとは驚きです。

痛みを堪えて動かすのではなく、気持ちよく動く方に動かしてやることで、痛んでいる方の動きも良くなる・・・・本当に不思議です。
橋本千春さんの「イラスト版からだのつかい方ととのえ方 子供とマスターする42の操体法」(合同出版)
橋本敬三氏の「万病を治せる妙療法 操体法 愛蔵版」(農文協)等を、是非、読んでみてください。自分の体と向き合うきっかけになるかもしれません。


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