「山登りをすれば足腰が疲れます。体を使えば、身体疲労や筋肉疲労が起こるように、脳を働かせば脳だって疲れるのです。コンピュータでも、処理能力を超える情報量を入力すればパンクします。大脳に処理能力を超える情報が流れ込めば、情報処理機能は破綻し、間脳との関係に狂いが生じてくるのです。」
えぇ~??脳も疲労する???思ってもみない事でしたが、なるほど、とても噛み砕いて説明して下さる藤野先生の声は、すんなりと私の大脳に入り込んできます。
今回取材させて頂いた、九州大学名誉教授、BOOCSクリニック理事長、レオロジー機能食品研究所所長、NPO法人子供の命を守る会副理事・・・医師として様々な立場から活動されている藤野先生は、多くの病気が、脳疲労から引き起こされていると説いていらっしゃいます。
「現代人が抱えている脳内の状況を、脳内ファミリーとして例えてみましょう。様々な社会構造から生まれるストレスなどが原因で、大脳の情報処理能力が破綻しているのです。つまり、大脳の内、新皮質を父や夫と考えてみましょう。一方、旧皮質を母や妻と考えるのです。夫婦仲が悪くなると、家庭内不和が起こり、家族はギクシャクしてきます。間脳を子供と考えると、子供(つまり、身体!)との関係も悪くなり、様々な不具合が生じてくるのです。」
脳疲労から、五感に狂いが生じてくると身体の病気に・・・、認知レベルに狂いが生じてくると心の病気に発展してしまうというのです。
藤野先生の口からは、もっと驚くべき言葉が出てきました。なんと!、現代の子供の50%は、治療すべきレベルのうつ状態(脳の機能低下の状態)にあるというのです。大人だと、30%~40%。それほど、私達はストレスに晒されていると言うのです。
これ以上、子供を追い込まないで、救ってあげてくださいと藤野先生は訴えます。
では、どうすれば良いのでしょうか?
ストレスの元凶とも言える環境を簡単に変えるわけにはいきません。だとすると、脳を変えれば良いと、藤野先生は、いとも簡単に仰るのです。それが、BCCOS(脳を目指した自己調整法)なのです。
いとも簡単に仰るには、訳がありました。本当に、簡単な方法なのです。
三つの原則を守ること!これだけなんです。
1) 例え健康に良くても、嫌な事は決してしない。
2) 例え健康に悪くても、辞められないことは決して禁止しない。
3) 健康に良くて、しかも自分が好きなことを一つでも始める。
これだけなんです。この3原則を守るだけで、自然に調整されていくというのです。こんなぬるい事で、本当に良いの???・・・と、つい私は思ってしまったのですが、不思議、藤野先生の言葉を噛みしめていくと、明るい未来が開ける様な気がしてきます。
厭なことを我慢して頑張っても、更にストレスが増えるだけ。嫌な事から逃げるのではなく、良い事に近づけていく!これが大事なのかも知れません。
興味をお持ちになった方は、藤野武彦先生の著書、「我慢するのはおやめなさい」(毎日新聞社)を読んでみてください!きっと、何かが掴める筈ですっ!