同じテーマでお送りするコレステロールに関する取材報告第4弾は、東海大学基礎医学系教授でいらっしゃる、大櫛陽一先生の登場です!
大櫛先生は、「メタボの罠」(角川SSC新書)、『「ちょいメタ」でも大丈夫』(PHP研究所)、「コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな」(祥伝社新書)など、沢山の著書で私達に情報発信をしてくださっています。
それでは、大櫛先生から伺ったことをまとめてみますね。

先ずは、日本の血圧・脂質・中性脂肪などの基準値が、世界基準と比べてとても厳しいということを、皆さんはご存知でしたか?
例えば、LDLコレステロール値が120を超えると注意、140を超えると受診を促されるのが日本です。欧米では、190以上を高いとしているのに比べると、確かに日本の基準値は低く設定されています。又、欧米では、男女差・年齢差を考慮して設定されているのに、日本では、若い人の数値がそのまま基準値となっているのだそうです。
又、日本人のデータによると、女性は120を男性は100を切ると、なんと死亡率が急激に上がる! 140を超えた方が死亡率が下がり、病気になりにくく、病気になっても治りやすいというのです。
更に、LDLコレステロール値の低い人の方が、癌・鬱病・肺炎・脳卒中になりやすいというのですから、LDLコレステロールは私達にとって、悪玉どころか必要な栄養素だと言うことが解ります。

そもそも、コレステロールは、食物から20%を摂取し、残りの80%は肝臓で作られているそうです。ですから、例えコレステロールが多く含まれている卵の黄身を毎日沢山食べたとしても、肝臓で作られる量が加減されるので、一時的にコレステロール値が上がっても、やがて数値は落ち着き問題は起こらない!そればかりか、食物から沢山摂れれば、肝臓を休めることにもなるというのです!

こうして、必要な栄養素として体中に運ばれているのがLDLコレステロール、再生される為に回収されているのがHDLコレステロール。つまり、度を超えて多すぎない限り、悪玉と呼ばれているLDLも善玉と呼ばれているHDLも、どちらも私達にはとても大事な栄養素なのです。

では、何故、コレステロールの基準値が、低めに設定されているのでしょうか?
低めに設定されていると、本来、身体の調子の悪くない人まで、受診の対象者になってしまいます。やがては、必要のないコレステロール低下薬を処方される事になります。・・・つまり、コレステロール低下薬を作っている製薬会社が儲かり、そこから献金を受けている医学団体、大学研究室や教授が潤うことになるのです。(大櫛先生の本の中には、基準値を決めた人が名指しで、いくら貰ったかも書かれています。)

本来、コレステロール低下薬は、女性には必要ないのだそうです!!でも、日本では、男性の2倍の数に当たる女性たちが、コレステロール低下薬を飲まされています。欧米の女性たちは、飲んでいないというのに・・・。

ただ、一部の男性の中には、コレステロール低下薬を必要とする人が確かにいます。遺伝病である「家族性高コレステロール血症」は、500人に1人の割合で起こる病気だそうです。この病気は、コレステロール値を薬でコントロールしなければなりません。
「家族性高コレステロール血症」かどうかは、通常の健康診断で見つかるケースが多いとのことです。
ポイントは、毎年、どんどんコレステロール値が上がり続けること、くるぶしに脂肪がたまってくること、親族の中に50歳までに心筋梗塞で亡くなった方がいること。心当たりがある方は、専門医に相談してください。

それ以外の男性、そして全ての女性のコレステロールに関する概念を、今すぐ変える必要がありそうです。コレステロールは、無理に抑える必要は無いのです。
とはいえ、急激に薬を止めてしまうのは危険です。少しずつ減らす、一日おきにする・・・など、身体を慣らしながら止めていく必要があると、大櫛先生は仰っています。

薬には、必ず副作用があります。薬は、必要な時に必要な量だけ飲むものです。不要な医療には、不要な医療費がかかるだけでなく、危険を伴うのです。
そんな風に仰る大櫛先生の概算では、コレステロールに関する無駄を省くだけで、毎年、9000億円の医療費が、必要な医療に回せるそうです。コレステロールに関する無駄だけでですっ!

厚生労働省医系技官・木村盛世さんに伺った様に、またまた大櫛先生にも伺ってみました。「それって、長妻大臣はご存知なのでしょうか?」
大櫛先生の答えは、こうでした。
「さぁ~っ??私も、随分、厚労省に働きかけているんですけどねぇ。まだまだ官僚と大臣の間には壁が大きく立ちはだかっている様で、私の声は届いてはいないようです。これからも、働きかけていきます!」
大櫛先生、これからも是非、頑張ってください。

医療費の無駄・・・コロコロ転がっていますっ!


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