人を解剖すると、静脈には血液が残りますが、動脈は空っぽになるのだそうです!ご存知でしたか?だからその昔、動脈は生気を運ぶ管だと思われていたのですって!!
17世紀になって、イギリスのハーベーが、心臓からの1回の拍出量が30gと見積もると1時間で体重の2倍以上の血液が必要になると推測。このことから、血液が絶え間なく産出されているのではなく循環するのだとして、血液サイクルを明らかにしたというのです。
実際には、1回の拍動では80g、平均にして1分間で72回も繰り返されているので、1日延べ8tもの血液を心臓は送り出すことになります。

今では誰もが当然だと知っていることでも、長い歴史と研究者の努力がそこにあるのですね。反対に、未だに解らないことや多くの人が誤解している事が沢山あるのです。
血液に関しても例外ではなく、例えば、血液の専門家にとって、血液サラサラ・ドロドロというのは違和感を覚える表現なのだそうです。
血液ドロドロ状態は、血液に脂肪分が溶け込んでベタベタのイメージを描いているとしたら、これは間違い。実際には、血液中の脂肪分はたんぱく質のカプセルに入った状態で循環しているので、脂肪分でベタベタすることはないとか・・・。

血液型性格判断のナンセンス!現在、血液型はABO型以外にも400種類くらいあるのだそうです。だから、たった4つのパターンに分類して性格診断をしても仕方がないと・・・。

こんな柔らかい話から硬い話まで、『「流れる臓器」血液の科学』(講談社 ブルーバックス)には血液のお話が書かれています。著者は、中竹俊彦さん。杏林大学教授を経て、駅前塾(東京八王寺駅前の自己研修支援プログラム会場にて)で、血液の語り部として後進の指導に当たっていらっしゃいます。

実は、番組出演をお願いして、こんなことが聞きたい!という質問リストを送らせていただいたら、今、3件の原稿に取り掛かっていて時間が取れないことと、短い番組のコーナーで簡単に話せない質問が多かったこともあって、申し訳ないが辞退させてくださいというメールを頂いてしまいました。
残念だったのですが、インタビューには答えられないけど、大まかに質問にはお答えしますとメールで回答してくださったのです。

何と律儀な方なのでしょう!?お忙しい中、ありがとうございました。感激してしまいましたっ!
確かに、難しい言葉が沢山並んでいて、ウイルスに感染した血液がどうなっているのかとか、未消化・未分解のたんぱく質が腸壁から吸収されていくのかなど、素人が簡単に理解できない質問に答えようとして下さった中竹先生の困惑を感じてしまったのでした。
・・・だから、一般の人に血液の正体を知って頂きたいとお書きになったこの本、皆さんも是非、読んでみてください。


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