あっという間に2010年を迎え、しかもひと月が過ぎようとしています。
取材記のネタも溜まってしまいました。・・・今年、最初のご報告に相応しい、お話からお届けすることに致しましょう。

広島市西区古江東町の医療法人社団 永慈会 永田クリニックは、介護サービスも充実しています。その幾つかの介護施設の内、デイサービスゆたか古江では、利用者にマクロビオティックのランチを提供していらっしゃるというのです。
しかも、その利用者(病気を抱えたご老人が、リハビリを目的に通っていらっしゃいます!)のお顔が輝き、活き活きとして見えるというのですから、気になるではありませんか!!
早速、詳しく伺ってみました。

デイサービスゆたか古江の責任者、武田潤子さんは、本来、カイロプラクティックや整体でリハビリ指導をする、いわば身体の機能を整えるプロです。これまで、幾つもの介護施設の立ち上げに関わってきました。
ところが、介護の現場では、現状を維持できれば大成功。殆どの利用者の症状は、段々悪くなっていくことが当たり前という、救いの無い思いに悩まされる日々に、介護の限界を感じていたそうです。
ところが、ゆたか古江に着任してからというもの、それまでの霧が晴れるように介護に希望の光を見る思いがしたと武田さんは言います。それは、他でもない、利用者の血色の良いお顔、豊かな表情、回を重ねるごとに良くなる症状・・・それは目を見張る光景だったと言うのです。

では、ここは、一般の介護施設と何が違ったのでしょう!?
先ず、武田さんの着任当時、ゆたか古江では運動療法を未だ取り入れていませんでした。他でもない、その部分を強化する為に武田さんが望まれたわけですから・・・。
余所と違ったのは、利用者に提供されるランチだったのです。マクロビオティック・・・玄米を中心とした、お肉やお魚を使わない料理です。玄米ですから、しっかりと噛まなければなりません。この、繰り返される咀嚼が、色んな意味で重要なのだと、武田さんは分析しています。
例えば、良く噛む事でお顔の表情筋が刺激され、表情が豊かになります。すると、リハビリ中のご老人にありがちな無表情さとは縁が無くなります。
表情が豊かであると、周りの人にもとても良い印象を与えます。よって、自然に会話が増えたり、交流が増したりします。人間関係が豊かになるのです。これは、咀嚼による脳への刺激に加えて、更に沢山の刺激を与えることになりますね。
そうすると、もっと素敵な影響が現れるのだそうです。なんと、運動療法・物理療法の効果や反応が早くなる!!つまり、玄米を良く噛んで食べるということで、リハビリ効果が上がるという訳です。この嬉しい現実を目の当たりにして、今や武田さん自身がマクロビオティックにハマり、猛勉強中なのだそうです。

無農薬のお米や野菜にこだわって提供されるデイサービスのランチ、コスト等のご苦労があるのではないでしょうか?今度は、調理担当の小田眞由美さんにも伺ってみました。
実は、お肉やお魚を使わないことで、思わぬコストダウンが出来るのだそうです。といいますのも、一つに、大きな冷蔵庫は必要ありませんね。冷蔵しなければならない物は、少なくてすみます。
又、お肉やお魚を扱う調理器具を滅菌消毒する器具が必要になるのだそうですが・・・これも要りません。
・・・とまぁ、こうして押さえられたコスト分を、安全な食材に当てる事で、デイサービスゆたか古江のランチが生まれているのだそうです。

小田さんが、仰っていました。「デイサービスのランチを玄米にするだけで、これほどの効果が現れるのですから、是非、ご家庭でも、取り入れてみてください。個々の好みに細かく配慮することは、介護施設ではナカナカ難しい!ご家庭にはかないません!柔らかさや、大きさ、形、味・・・是非、喜んで食べてもらえるよう、調理してみてあげてください。その喜びが、お年寄りの元気の元となり、更には、皆さんの喜びとなりますから。」

永田クリニックのHPはこちら・・・
http://care-net.biz/34/yutakaf/b16.php


同じテーマでお送りするコレステロールに関する取材報告第4弾は、東海大学基礎医学系教授でいらっしゃる、大櫛陽一先生の登場です!
大櫛先生は、「メタボの罠」(角川SSC新書)、『「ちょいメタ」でも大丈夫』(PHP研究所)、「コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな」(祥伝社新書)など、沢山の著書で私達に情報発信をしてくださっています。
それでは、大櫛先生から伺ったことをまとめてみますね。

先ずは、日本の血圧・脂質・中性脂肪などの基準値が、世界基準と比べてとても厳しいということを、皆さんはご存知でしたか?
例えば、LDLコレステロール値が120を超えると注意、140を超えると受診を促されるのが日本です。欧米では、190以上を高いとしているのに比べると、確かに日本の基準値は低く設定されています。又、欧米では、男女差・年齢差を考慮して設定されているのに、日本では、若い人の数値がそのまま基準値となっているのだそうです。
又、日本人のデータによると、女性は120を男性は100を切ると、なんと死亡率が急激に上がる! 140を超えた方が死亡率が下がり、病気になりにくく、病気になっても治りやすいというのです。
更に、LDLコレステロール値の低い人の方が、癌・鬱病・肺炎・脳卒中になりやすいというのですから、LDLコレステロールは私達にとって、悪玉どころか必要な栄養素だと言うことが解ります。

そもそも、コレステロールは、食物から20%を摂取し、残りの80%は肝臓で作られているそうです。ですから、例えコレステロールが多く含まれている卵の黄身を毎日沢山食べたとしても、肝臓で作られる量が加減されるので、一時的にコレステロール値が上がっても、やがて数値は落ち着き問題は起こらない!そればかりか、食物から沢山摂れれば、肝臓を休めることにもなるというのです!

こうして、必要な栄養素として体中に運ばれているのがLDLコレステロール、再生される為に回収されているのがHDLコレステロール。つまり、度を超えて多すぎない限り、悪玉と呼ばれているLDLも善玉と呼ばれているHDLも、どちらも私達にはとても大事な栄養素なのです。

では、何故、コレステロールの基準値が、低めに設定されているのでしょうか?
低めに設定されていると、本来、身体の調子の悪くない人まで、受診の対象者になってしまいます。やがては、必要のないコレステロール低下薬を処方される事になります。・・・つまり、コレステロール低下薬を作っている製薬会社が儲かり、そこから献金を受けている医学団体、大学研究室や教授が潤うことになるのです。(大櫛先生の本の中には、基準値を決めた人が名指しで、いくら貰ったかも書かれています。)

本来、コレステロール低下薬は、女性には必要ないのだそうです!!でも、日本では、男性の2倍の数に当たる女性たちが、コレステロール低下薬を飲まされています。欧米の女性たちは、飲んでいないというのに・・・。

ただ、一部の男性の中には、コレステロール低下薬を必要とする人が確かにいます。遺伝病である「家族性高コレステロール血症」は、500人に1人の割合で起こる病気だそうです。この病気は、コレステロール値を薬でコントロールしなければなりません。
「家族性高コレステロール血症」かどうかは、通常の健康診断で見つかるケースが多いとのことです。
ポイントは、毎年、どんどんコレステロール値が上がり続けること、くるぶしに脂肪がたまってくること、親族の中に50歳までに心筋梗塞で亡くなった方がいること。心当たりがある方は、専門医に相談してください。

それ以外の男性、そして全ての女性のコレステロールに関する概念を、今すぐ変える必要がありそうです。コレステロールは、無理に抑える必要は無いのです。
とはいえ、急激に薬を止めてしまうのは危険です。少しずつ減らす、一日おきにする・・・など、身体を慣らしながら止めていく必要があると、大櫛先生は仰っています。

薬には、必ず副作用があります。薬は、必要な時に必要な量だけ飲むものです。不要な医療には、不要な医療費がかかるだけでなく、危険を伴うのです。
そんな風に仰る大櫛先生の概算では、コレステロールに関する無駄を省くだけで、毎年、9000億円の医療費が、必要な医療に回せるそうです。コレステロールに関する無駄だけでですっ!

厚生労働省医系技官・木村盛世さんに伺った様に、またまた大櫛先生にも伺ってみました。「それって、長妻大臣はご存知なのでしょうか?」
大櫛先生の答えは、こうでした。
「さぁ~っ??私も、随分、厚労省に働きかけているんですけどねぇ。まだまだ官僚と大臣の間には壁が大きく立ちはだかっている様で、私の声は届いてはいないようです。これからも、働きかけていきます!」
大櫛先生、これからも是非、頑張ってください。

医療費の無駄・・・コロコロ転がっていますっ!


プレスセミナー「コレステロール低下医療と脂質栄養の方向転換」参加報告第3弾は、フランス・グルノーブル第一大学医学部心臓栄養部部長、フランス保健医療研究局特別研究員、フランス科学研究局正規研究員、実験心臓病研究所所長・・・(長い・・・)でいらっしゃる、ミッシェル・ド・ロルジュリル先生!

ロルジュリル先生の講演は、2008年~2009年の間に発表されたコレステロール低下薬の臨床試験結果は、いずれもコレステロールの専門家と低下薬産業を落胆させたという報告から始まりました。
例えば、象徴的な事柄として、2008年の米国心臓病学会(ACC)総会中に、コレステロール低下薬スタチンの中でも最も有効だとされていたロスバスタチン(日本では、クレストールとして販売されている薬)と偽薬を比べて、虚血性心疾患一次予防の効果をみる臨床試験が中途打ち切りとなったことが報道されて騒然となったことが挙げられています。
つまり、虚血性心疾患を引き起こさない為にコレステロール低下薬を投与するのは当然とされているのに、思うような検査結果が出ないので臨床試験が中止されたわけです。これまでにも、こうした研究者やスポンサーにとって都合の悪い数々の臨床試験が、公に議論されること無く中止されてきたようです。(報告義務を課して規制された今もなお・・・だそうです。)

この他、更に詳しくお知りになりたい方は、ミッシェル・ド・ロルジュリル先生の著書「コレステロール 嘘とプロパガンダ」(篠原出版新社)¥2300+税 を読んでみてください。

コレステロール低下薬が必要なのか、又、コレステロール理論を全面的に見直す時が来ているのではないか?とロルジュリル先生は訴えていらっしゃいます。

講演の後で、直接お話も伺いました。(英語なので、通訳の方に入って頂いて・・・)
先ず、これまで使われていた薬の有効性に疑問が生まれた時には、海外ではどんな反応がどんなところで起こるのか聞きたかったのですが、上手く伝わらなかったようです。
「主治医に、薬は飲みたくないとはっきり伝えるべきです。その主治医が理由を理解しなければ、私の前著を読むように薦めてください。」と、ニッコリ。残念ながら、2007年に出版されたその本は、日本語版では出ていないのですが、フランス語タイトルを直訳すると「あなたの主治医にコレステロールは悪くないと言いましょう。薬剤を使わずに治療してくれるでしょう。」・・・だそうです。
日本では、薬の効果に興味を持っている患者さんは少ないように思えるし、あまり大きなニュースにはなりません(しないという方が正しいかもしれません)よね。一部の被害者の会の方々の血の滲む様な努力の積み重ねで、やっと社会の関心を引く・・・というのが現実ではないでしょうか?

続いて、聞いてみました。「コレステロールを低下させる必要がないなら、何をどれだけ食べても平気ですか?」
すると先生は、困った人だ!というような表情で
「それは、いけません。常日頃から、健康を得る為、保持する為の生活習慣を整えるべきです。食生活に限らず!です。
食生活に関して言えば、日本の人たちはとても残念な間違いを犯しています。あんなに素晴らしい伝統食があるのに、忘れてしまっています。地中海食と同じ様に和食は、とても素晴らしいのに!!」

あぁ、やっぱり、日本の伝統食を大事にするべきなのですね!?
ハンサムな、そして私の「西洋人!」のイメージにピッタリなロルジュリル先生に、和食の素晴らしさを忘れないように諭されて、神妙になってしまった聖子でした。

ちなみに、先生は、奥様と小さいお嬢さん同伴で来日されていました。可愛い女の子がフランス語で解説しながらお絵かきしてくれたのですが・・・これまた、西洋の女の子のイメージ通りっ!素敵なご家族でした。


さて、先月行なわれた金城学院大学「脂質栄養」オープン・リサーチ・センターと日本脂質栄養学会主催のプレスセミナー「コレステロール低下医療と脂質栄養の方向転換」に参加しての報告取材記第2弾は、富山大学和漢医薬学総合研究所教授であり、日本脂質栄養学会理事長:浜崎智仁先生に伺ったお話です。
浜崎先生は、「コレステロールを低下させる必要はありません。」と、はっきり仰っています。

コレステロール値が高いと動脈硬化性疾患のリスクが高いと言われていました。日本動脈硬化学会は、2007年に、動脈硬化性疾患予防ガイドラインを作成しています。
これによると、これまでの「高脂血症」が「脂質異常」という表現に変わり、脂質異常の診断基準としてLDLコレステロール140mg/dLが上限とされています。(それまでの総コレステロール値は、診断基準から外されました。LDLコレステロール140mg/dLというのは、総コレステロール値で220に相当するそうです。)

ところが、このガイドライン作成当時、日本のLDLコレステロールの疫学調査は東海大学医学部の大櫛陽一教授(後日、取材記を掲載します。)の物しかなかった!そのデータによると、悪玉だと言われているLDLコレステロールは実は善玉であり、むしろコレステロール値の高い方が人は死なない・・・・。
その後の他のデータを合わせても、総コレステロール値が240~260mg/dLという高い範囲の人々の総死亡率が一番低下しているという事実が明らかになっているのだそうです。
だとすると、LDLコレステロール140mg/dL(総コレステロール値だと220)が上限というのは、オカシイ!!この基準に照らすと、必要の無い食事療法、やがては治療・投薬が行なわれることになりますから。

このガイドラインの根拠となる疫学調査の中に、冠動脈疾患死亡の相対危険度は血清総コレステロール値が高いほど上がるとするものがあるそうです。が、その危険範囲の数値を見ると実際の死亡者数が、男女それぞれ一桁の数字!!(えぇっ!?一桁??そんな貧弱なデータもありなんですか?)
この他、このガイドラインには、問題点が多々潜んでいると、浜崎先生は仰るのです。
つまり、間違ったガイドラインに沿って、コレステロール値を下げる必要は決して無い!ましてや、日本人は、特にコレステロールが高すぎる場合のリスクが少ないということなのです。

こうした誤った解釈の背景には、それまで、500人に1人の割合でいらっしゃる家族性高コレステロール血症という遺伝性疾患の患者さん(心筋梗塞を起こしやすい)を中心とするデータしか無かったという問題があるそうです。つまり、残り500分の499人用のデータが無かったから・・・。

この家族性高コレステロール血症の患者さんについては、コレステロール低下薬が必要です。それについては、次回、報告いたします。


血中コレステロール値が高いと、心臓病や脳卒中の危険性が高まる!だから、コレステロールの摂りすぎに気をつけましょう~!って常識の様に思っていました。(さっきも、テレビでCMが流れていました。・・・実はそれで、早く取材記を書かなくっちゃと、PCに向かったのですが。)
でも、コレステロール値が高くても、心臓病や脳梗塞のリスクは高まらないし、コレステロール値が高い人の方が長生きしているんだそうですっ!!どうです、ビックリ!!でしょ??

先月行なわれた、金城学院大学「脂質栄養」オープン・リサーチ・センター(文部科学省支援事業)と日本脂質栄養学会主催のプレスセミナー「コレステロール低下医療と脂質栄養の方向転換」に出席してきました。
コレステロールについての常識を覆す講演をされた4人の先生方に、個別でもお話を伺って参りましたので、これから暫くは、コレステロール関係の取材記が続く予定です。

先ずは、その金城学院大学「脂質栄養」オープン・リサーチ・センター所長であり、薬学部(予防薬食学)特任教授でいらっしゃる、奥山治美先生のお話から・・・。

これまでコレステロール値が高いと動脈硬化が進むといわれてきたのは、多くのデータが心臓病の危険因子を持つ人を調査対象としてきたから解釈上の落とし穴があった訳で、地域住民(一般集団)を対象とする追跡調査が増えてくると、40歳~50歳以上の一般集団では、コレステロール値が高くても心臓病死は増えないということが明らかになったというのです。
又、善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の解釈には多いに問題があるし、ましてやLDL値の高い群の方が総死亡率が低く、長生きだというのですから、コレステロールに対する接し方を改めなければならなくなったようです。

ということは・・・バターだとかラードといった動物性油脂は高コレステロールだから植物性油脂を摂るように指導されてきましたが、コレステロール自体が動脈硬化の原因になるわけではないし、長寿の傾向にあるとなれば、動物性油脂を摂っても問題がないということになります。
その上、身体に良いとされてきた植物性油には、微量の有毒成分さえ入っていると、動物実験の結果が表しているというのです。
例えば、多くの家庭で使っているキャノーラ油には微量ながら、出血を促進させる(脳卒中を起こしやすい)成分があったり、男性ホルモンを減少させやすいという要素も含まれていることが、動物実験レベルで判明しているというのです。
又、水素添加された植物油脂、遺伝子組み換え大豆油、パーム油の安全性には問題提起がなされたまま解決していないという実態から、マーガリンよりはバター、キャノーラ油の豚カツよりラードや牛脂で揚げた方が安心だと、奥山先生は仰います。勿論、食べすぎは厳禁だとも、強調していらっしゃいました!

《ただ、動物性油脂に関して、私自身は、畜産環境により抗生物質や添加物、ホルモン剤、飼料の残留農薬などが高濃度に蓄積していると言われるラードや牛脂には、別の意味での警戒心を抱いてしまうのですが・・・。》

さて、奥山先生の話に戻りましょう。
従来のコレステロール仮説に基づいて作成された、厚労省ホームページの「生活習慣病を知ろう!」の内容には、修正すべき点が沢山あることになります。
そこで、修正すべき点を細かく指摘した要請書が、平成20年4月に、奥山先生を含む脂質栄養関係医・薬・保健学者十人委員会から厚労省に提出されました。
・・・・・が、皆さんのご想像通り、未だ変化は見られません。
奥山先生たちのコレステロールに関する情報が、十分に行き渡らないままになっているのです。

次回も引き続き、コレステロールに関する情報です。
回を追う毎に、医療費の問題や利益相反の問題も見え隠れしてきます。
・・・やっぱりかぁ~と思う問題が、あちこちに潜んでいるんです。
なるべく早く更新していきますね。


「マゴワヤサシイ」という言葉を聞いた事がありませんか?今、食育の現場で良く耳にする表現です。
メ・マ・カメ(海藻)・サイ・カナ(魚介)・イタケ(きのこ)・
これらを食べていれば、自然にバランスの良い栄養が摂れていると言う訳です。
この「マゴワヤサシイ」を商標登録しているのが山田豊文さん!著書に「細胞から元気になる食事」(新潮文庫)、「『食』を変えれば人生が変わる」(河出書房新社)、「病気になりたくない人はこうしなさい」(アスコム社)などがあり、一流アスリート達の栄養指導をするなど、幅広い活躍をしていらっしゃいます。
杏林予防医学研究所(因みに、杏林大学とは関係ないのだそうです。)は、日本の医師や栄養学を学ぶ人への新しい理論の普及を目的として設立されました。それが、分子整合医学に基づいた理論!分子整合医学について、易しく説明していただきました。
これまで、外からウィルスや菌が入って来るから病気になる!病気は薬で治すものと考えられてきました。ですが、我々は、身体の中に適応するDNAを持っている!そう、700万年前から進化し続けてきた機能を持っているのだから、その機能が正しく働けさえすれば元気でいられるというのが、基本的な考え方なのだそうです。
60兆個の細胞の一つ一つが、その機能を正しく働かせる為には、微量ミネラルに至るまで必要な栄養素は必ず摂取しなければならない!反対に、機能の活性を妨げる重金属や有害ミネラルは、排泄する必要があります。
その為に、何をどのように食べれば良いのか・・・これが分子整合医学に基づいた栄養指導となるのです。以前、ご紹介した酵素栄養学も、この分子整合医学に含まれる一つの分野なのだそうです。
http://report.seiko-masuoka.net/?cid=43991

カルシウム一つをとっても、とても興味深いお話を伺いました。カルシウムには筋肉を緊張させる作用がある一方、マグネシウムは筋肉を弛ませるとか。カルシウムばかりを摂ってマグネシウムが不足している人が長時間運動すると、マグネシウムの欠乏によりこむら返りや肉離れが起こりやすくなるのだそうです。
又、不整脈や狭心症の症状がマグネシウム不足で起こっている可能性もあるというのです。
カルシウムのサプリメントを飲む方は多いですが、マグネシウムが不足している食事習慣を持っている人は注意しなければなりませんね。カルシウムとマグネシウムがバランスよく摂れてこそ、体内で正しく機能してくれるのです。
マグネシウムは、5分搗きや7分搗きのごはん、豆類、野菜、海藻などを食べていれば摂れるそうです。・・・なぁ~んだ!やっぱり、昔ながらの和食を食べていれば間違い無さそうですね!?

山田豊文さんは、「学歴より食歴と言うでしょう!?何を食べてきたかが、人生の全ての質を決定します。身体も心も食べ物から作られている、生命とはそういう物です!!」と、仰いました。
母としては、子供に何を食べさせてきたかが問われるわけですね?ちょっとドキドキしながら伺いました。

杏林予防医学研究所のHP
http://www.kyorin-yobou.com/index.html

 

 

 


 

以前、「ダイエットをすればするほど痩せにくい身体になるんだよぉ~!!」とアンチダイエットのお話をしてくださった、作家でありカウンセラーであり、心身機能研究家の夏目祭子さんの新しい本が出ましたっ!
もっと早くお知らせしたかったのに・・・怠惰な聖子をお許し下さい。

「知的アンチダイエット生活」(新潮社)¥1300(税別)
黄色い表紙に、おかっぱの女性がステーキを食べようとしているイラストが描かれています。(この女性は、祭子さんに似てると思うっ!でも、特にそういう設定でもないらしい・・。)おすまし顔で切り分けようとしているステーキは、お顔の大きさと比較しても、結構大きい・・・パンもかなり多い・・・
で、そのイラストの下では、本にかかっている帯の「あなたの体には『ヤセる力』が備わっている」という言葉が目を惹くのです。
そうです!この本では、これまで祭子さんがずっと訴えてきた、食べたい物を食べても良い!自分の身体を信じてあげれば、絶対に理想の体型に自然に整ってくるということが、事細かに書かれています。食事に留まらず、生活全般において決め細やかなアドバイス、それに、身体の使い方やケアについて、気持ちの持ち方や考え方のヒントまで!

たぁ~っぷり詰まっている内容を丁寧に読んでいけば、心と身体の仕組みが生活レベルで解ってきます。この生活レベルっていうのが、とても大事だと思うのです。理論として機能を理解しても、ナカナカ自分に当てはめることが出来ませんものね。本音と建前で理解しても、自分の身体の真実には行き着かない・・・だとすると、自分の身体を信じてあげることはナカナカできません。
でも「知的アンチダイエット生活」には、痒いところに手が届く内容で、身体が発するSOSの解釈の仕方や、心地よさを求める方法が書いてあるのです。

内容は、Lesson1~3までに大きく分けられています。初めてアンチダイエットに触れる方の為に、祭子さんに伺ってみました。
「Lesson1を読んだら、次にLesson3を先に読んでみてください。後からLesson2をゆっくりと・・・。」
こうすれば、先ずは無理なダイエットから身を守ることが出来そうです。

是非、読んでみて頂きたくて、本の内容に具体的に触れることを敢えて避けました。もともとダイエットなんて必要ないと仰る羨ましい方にも、我慢に我慢を重ねてダイエットを繰り返してきた方にも、心と身体の健康の為に読んでおいて頂きたいなぁ~と思う一冊です。

夏目祭子さんのHP
http://www15.ocn.ne.jp/~antidiet/


 

来るぞ来るぞと言われていて、やっぱりやって来た新型インフルエンザ!世界屈指の経済大国の一つである筈の日本で、何故、この期に及んでワクチンが足りない!どうすれば良いのか?右往左往・・・なんて状況になっているのでしょうか!??
そもそも、インフルエンザワクチンって必要なのでしょうか?もしも、重篤な副反応に見舞われたら・・・?
以前のインフルエンザワクチンに関する私の取材記にも、とても興味深いコメントが寄せられています。
http://report.seiko-masuoka.net/?eid=750853#comments

本音でお話してくださる専門家はいらっしゃらないものでしょうか!?そう考えた時に、どうしても一人の女性が浮かんできます。
厚生労働省医系技官・木村盛世さん!!現役のキャリア官僚でありながら、「厚生労働省崩壊」(講談社)という本を書いて内部告発に乗り出した、医師であり、アメリカでは感染症疫学のトップレベル研究者として活躍していらした専門家です。この人なら、インフルエンザ対策に関して忌憚の無い意見を聞かせてくれる筈っ!!早速、取材を申し込みました。

電話取材に快く応じてくださった木村盛世さんは、きっと厳しくてクールな人に違いないと極度に緊張しているディレクターの意に反して、とても優しい声でお話くださり、第一声から一気に和やかなムードに包まれました。

先ず伺いました。新型インフルエンザワクチンがどうして足りないのですか?
「国内産新型インフルエンザワクチンは、弱小4社の製造のみが許されていて、圧倒的にキャパシティーが足りない・・・ワクチン製造が間に合わないのは当然の結果です。そんなことは、最初から判っていた事なのだけど、厚労省役人のすることには、必ず利権が絡んできます。国民の健康が優先されているのではないということを、国民は知っておくべきです。」

ここが一番知りたいところなのですが、インフルエンザワクチンは、効くのでしょうか?本当に必要なのでしょうか?
「はっきり言って、インフルエンザワクチンの予防効果は100%ではありません。100%に近い予防効果を持っているワクチンは、天然痘とポリオ・・といったところでしょうか。
ですが、既存の方法を使ってできるだけ感染の広がりを阻止すると言う視野に立った時、インフルエンザワクチンは重要なツールの一つであり、数少ない持ち玉の一つです。
予防効果があるかもしれない!ということ。
そして何より重要なのは、接種したということで与える安心感、このベネフィット(利益)がとても高いワクチンなのです。」

副反応もありますよね?
「あります。かゆみやだるさといった軽いものから、中には稀にショック症状などの重篤な物まで。
ですが、国民全体・地球全体を考えた時に、ベネフィットがリスク(危険)を上回る時に使うのが、ワクチンです。日本人は、公衆衛生に対する概念が希薄です。 きちんと情報を提供し、ワクチンに対する捕らえ方を、国民全てに認識してもらい、免責規定を定め、十分な無過失保障制度を整える・・・これが、厚労省の仕事なのに、そんな当然のことをやってきていないんです。
ワクチンを打つか打たないかは、最終的には個人の判断に委ねられます。十分な知識と理解を得て、自分の責任において判断されるべきなのです。」

現実問題、ワクチンは国民全体に行き渡らないのですよね?
「そうです。無理でしょうね。
本来、厚労省は、国民全員分のワクチンを用意するべきでした。掛け捨て保険の効果と同じです。打っても打たなくても、有る!という事実が与える安心感は重要です。無いからこそ、異常な期待感が高まり、取り合いが始まります。既に、パニックに陥っているといわざるを得ない状態ですが、これを収集できないのも厚労省の罪です。」

今のところ、弱毒性などと言われていますが、インフルエンザの毒性とは何ですか?
「私も良く解らない表現です。きっと、病原性などと言うほうが良かったのではないでしょうか?どれだけ広がり、どれだけ重傷者を出すか・・ということを伝えるニュアンス的な表現でしょう。」

罹った人も、もう随分いらっしゃいますね。
「そうですね。
実は、アメリカが最初に何をしたかご存知ですか?新型のウィルスが、人為的に撒かれた物か、自然発生的に広がった物なのかを先ず判断したのです。
自然発生的な物であれば、ある程度広がって重症化しても、やがて終息すると安心したのです。だから、ジタバタしませんでしたよね!?
日本は、感染症対策のお粗末さを全世界に露呈してしまいました。」

聞けば聞くほど、不安が募る厚労行政!
今一番治療が必要なのは、厚労省の医系技官なのかもしれません。今や、その医系技官は長妻大臣の懐柔に躍起になっていて、長妻大臣本人が正常な思考能力を失うほど疲れきっているのではないかと思えるそうです。
民主党は、年金問題を独立させて長妻大臣に任せるべきだったのではないでしょうか?一人で背負うには、あまりにも問題が多すぎるような気がします。

それにしても、帰国しないでアメリカにいらっしゃれば、こんな利権に絡んだ官僚相手に無駄なエネルギーと時間を費やす必要は無かった筈・・・本当に木村盛世さんの知識と才能を、一体どれだけ浪費させてしまっていることでしょう!!惜しまれてなりません。日本国民は、どれだけの損をしているのでしょうか?
それより何より、厚労省の同僚の皆さんには、木村盛世さんの声が届かないのでしょうか?同僚が、勇気を出して声を上げているのですよぉ~っ!!
どうか、本来の国益の為の仕事をしてください。本当の情報を提供してください。国民は、いつまでも天下りの為の根回しを許しませんし、私利私欲の為の仕事を見過ごせません。

これからの木村盛世さんの発信する情報に、どうぞ注目してください。
木村盛世さんのオフィシャルサイトはこちらです。

http://www.kimuramoriyo.com/


 

取材記としてアップしなければならない取材済みテーマが、沢山溜まっています。(@_@;)今月は、後半に向けて頑張って書きます!先ずは、季節に関係したテーマから・・・。

朝夕、ひんやりとした手足に秋を感じることがありませんか?
「氣道」協会代表の長谷川淨潤さんや、整体指導師の奧谷まゆみさんの本にも書いてあります!寒くなっていく季節の変わり目に、筋肉や骨盤などがぎゅっと締まってきて、放熱しない為の準備が始まっている。それが、整う中途であったり、バランスよく整わないままになってしまった時に内臓に負荷がかかってしまう。負担がかかる内臓の代表選手が、腎臓。それでなくても汗を掻かなくなって腎臓の仕事が増え、アップアップしている時に、捻れた身体の負荷まで背負わせられるのですから、腎臓はくたびれてしまいます。
腎臓が疲れて機能低下が起こったら、本来尿酸として排泄される物が胃酸に化けてしまう・・・胃酸過多の胃が、食べ物を要求する・・・何と、これが秋の食欲の正体なのだそうです。
季節の変わり目に体調を崩しやすいというのも、納得がいきますね。
又、台風が来る前は湿度が高くなって、胸椎3番10番が捻れてくるなんて症状が見られるそうです。

こんな話を聞くと、動物の体は、本当に自然の一部なのだなぁと感じます。それは見事に、自然の営みに組み込まれています。体のシステムの一つ一つに、畏敬の念さえ抱いてしまうほど・・・。

さて、自分の体の骨格や筋肉に敏感な人は、やはり体調で季節を感じたりするものなのか聞いてみたくなりました。そこで、お話を伺ったのがバレリーナの橋本苑子さん。・・・といっても、「ラジオはダメ!!この声は絶対無理!!文章で答えるから、代わりに読んで伝えてくださぁ~いっ!!」と、未だ番組出演は叶ってないのですが・・・。

橋本苑子さんは、中学を卒業後、ウィーンのバレエ学校に進学・首席で卒業後、即ドイツのバレエ団とソリスト契約、その後、プリマとして活躍されたバレリーナです。ヨーロッパ生活は、通算十数年・・・。現在、帰国され、後進の指導やバレエの啓蒙へと活動を始められました。

そんなバレリーナとして、季節による身体の変化はとても敏感に感じられるそうです。
寒い季節には、夏の倍以上のウォームアップ時間が必要。硬直した筋肉で身体のバランスも変わり、怪我をしやすい状況になってしまう。ダンサーにとって、身体を冷やすことは大敵。だから、寒さを感じたら真っ先に防寒し、沢山着込んでから慎重にストレッチをしてレッスンに臨むのだそうです。夏とは違って、身体の芯がナカナカ温まらない。外側だけが温まっているというのが、これからの時期。
そして、冬の方が、太るとも・・・。寒さから守る為に脂肪がつくのを、リアルに感じるのだそうです。

実は、現在小5になる娘が、苑子先生(ここから急に先生!)のレッスンを受けています。片足を前に出したり横に出したり後ろに上げたり・・・バレエは、日常の生活では使わない姿勢の連発です。その体勢の一つ一つで苑子先生は、軸足に対する骨盤の位置や筋肉の引き上げなど骨格や筋肉の使い方を細部にわたって指導されます。(そう、ウルサイほどっ!)
つまり、関節に負荷がかかったり間違った筋肉を使うと、身体の故障や体型の崩れに繋がるからです。注意を受けて、正しい筋肉の使い方をすると、その瞬間に姿形が変わるので、レッスンを見学していると面白くて仕方ありません。

苑子先生に、私達でも出来るストレッチを教えていただきました。骨盤が歪んでいたり、股関節に負荷がかかっていると、腰痛や膝痛に繋がります。
本来は股関節の運動だそうですが、骨盤の周りの筋肉強化にもなるので、是非、やってみて欲しいとのことです。

①先ず、仰向けに寝て膝を立てますが、膝は骨盤の幅に開きます。
手は、床につけておきましょう。
②骨盤をゆっくりと膝の高さまで上げ、しばらくキープします。
③骨盤をゆっくりと、とてもゆっくりと元に戻します。
④この動作を、3~4回繰り返しましょう。

いかがですか?勿論、無理は禁物です。腰がほんの少ししか上がらない人は、上がるところまでで十分です。くれぐれも、勢いでエイッと上げてしまわないように注意してください。結構、背筋と腹筋の強化に繋がりそうです。

さて、橋本苑子さんのバレエサイトが間もなくオープンするそうです。(年内には・・・というお話でしたが・・。)バレエに関する総合的なサイトにしたいと仰っているので、身体の使い方に関する情報などの発信源になってくださることを期待しています。

橋本苑子バレエ総合サイト
curans(キュランズ):ケアする人、気にかける人々を意味する言葉だそうです。
http://curans.jp

http://www.sonoko.info/

時々、覗いてみてくださいね!

 

 


 

 

人を解剖すると、静脈には血液が残りますが、動脈は空っぽになるのだそうです!ご存知でしたか?だからその昔、動脈は生気を運ぶ管だと思われていたのですって!!
17世紀になって、イギリスのハーベーが、心臓からの1回の拍出量が30gと見積もると1時間で体重の2倍以上の血液が必要になると推測。このことから、血液が絶え間なく産出されているのではなく循環するのだとして、血液サイクルを明らかにしたというのです。
実際には、1回の拍動では80g、平均にして1分間で72回も繰り返されているので、1日延べ8tもの血液を心臓は送り出すことになります。

今では誰もが当然だと知っていることでも、長い歴史と研究者の努力がそこにあるのですね。反対に、未だに解らないことや多くの人が誤解している事が沢山あるのです。
血液に関しても例外ではなく、例えば、血液の専門家にとって、血液サラサラ・ドロドロというのは違和感を覚える表現なのだそうです。
血液ドロドロ状態は、血液に脂肪分が溶け込んでベタベタのイメージを描いているとしたら、これは間違い。実際には、血液中の脂肪分はたんぱく質のカプセルに入った状態で循環しているので、脂肪分でベタベタすることはないとか・・・。

血液型性格判断のナンセンス!現在、血液型はABO型以外にも400種類くらいあるのだそうです。だから、たった4つのパターンに分類して性格診断をしても仕方がないと・・・。

こんな柔らかい話から硬い話まで、『「流れる臓器」血液の科学』(講談社 ブルーバックス)には血液のお話が書かれています。著者は、中竹俊彦さん。杏林大学教授を経て、駅前塾(東京八王寺駅前の自己研修支援プログラム会場にて)で、血液の語り部として後進の指導に当たっていらっしゃいます。

実は、番組出演をお願いして、こんなことが聞きたい!という質問リストを送らせていただいたら、今、3件の原稿に取り掛かっていて時間が取れないことと、短い番組のコーナーで簡単に話せない質問が多かったこともあって、申し訳ないが辞退させてくださいというメールを頂いてしまいました。
残念だったのですが、インタビューには答えられないけど、大まかに質問にはお答えしますとメールで回答してくださったのです。

何と律儀な方なのでしょう!?お忙しい中、ありがとうございました。感激してしまいましたっ!
確かに、難しい言葉が沢山並んでいて、ウイルスに感染した血液がどうなっているのかとか、未消化・未分解のたんぱく質が腸壁から吸収されていくのかなど、素人が簡単に理解できない質問に答えようとして下さった中竹先生の困惑を感じてしまったのでした。
・・・だから、一般の人に血液の正体を知って頂きたいとお書きになったこの本、皆さんも是非、読んでみてください。